「あの友達、どうしているかな」と思った日に、その友達から突然LINEが届いた。行こうと思っていた場所で、偶然会いたかった人に出会った。
探していた本が、たまたま入った店の棚にあった。
そんなことが起きたとき、あなたはどうしていますか。
「ただの偶然だよね」で終わらせていませんか。
今日は、その小さな偶然を、あなたの毎日を明るくする材料に変えてしまう方法をお話しします。一人さんが教えてくださる、とても軽やかな考え方です。
偶然か、引き寄せか。証明しなくていいのです
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
もちろん、本当にただの偶然かもしれません。友達がたまたま連絡してきただけ。たまたま同じ時間に同じ場所にいただけ。そう説明することもできます。
けれど、大切なのは、それが偶然か引き寄せかを証明することではないんです。
証明しようとすると、話が難しくなります。理屈っぽい人ほど「それは確率の問題だ」と言いたくなりますし、そう言ってしまうと、そこで話は終わってしまいます。
そうではなく、こうしてみてください。

大ニュースのように、面白がってみる
「すごい!テレパシーが通じたのかも」
「私の引き寄せ、冴え渡ってる!」
そんなふうに、大ニュースのように面白がってみるんです。
心の中でつぶやくだけでいいのです。誰にも言わなくて構いません。
むしろ人に言うと「大げさだね」と言われて、しぼんでしまうかもしれませんから、まずは自分の中で大はしゃぎしてみてください。
このとき、本気で信じている必要すらありません。半分ふざけているくらいでちょうどいいのです。
大事なのは、その瞬間に「うれしい」という気持ちが動くことなんです。
心には、探しているものを見つける働きがあります
なぜ、そんなことをするのでしょうか。
私たちの脳の中には、入ってくる大量の情報を仕分けするアンテナのようなものがあります。
全部を受け止めていたら疲れてしまうので、大事なものだけを拾って、あとは通り過ぎさせているのですね。
そして、この「大事なもの」の基準は、その人が普段何に注目しているかで決まります。
赤い車を買った人は、街じゅうに赤い車が走っていることに気づきます。実際に増えたわけではなく、見えるようになっただけです。
同じことが、幸せにも起こります。
「幸せを見つけるアンテナ」に切り替える
日常の小さな出来事を「嬉しい」「面白い」「奇跡かも」と喜ぶ。それを毎日少しずつ重ねていくと、アンテナが幸せを見つける方向へと切り替わっていきます。
最初は、意識して探さなければ見つかりません。一日を振り返って、やっと一つ思い出せるくらいでしょう。
けれど二週間ほど続けていると、その場で気づけるようになります。「あ、今のはちょっといいことだったな」と、リアルタイムで思えるようになるんです。
そうなるとしめたものです。同じ一日を過ごしていても、拾えるものの数がまるで違ってきます。
同じ一日でも、見える世界が変わります
ここが、この教えのいちばん面白いところです。
同じ一日を過ごしていても、偶然を流してしまう人と、幸せのサインとして面白がれる人では、目に入ってくる世界が少しずつ変わっていきます。
出来事そのものは、どちらの人にも同じだけ起きています。信号が青になったこと。誰かが道を譲ってくれたこと。空がきれいだったこと。
けれど、一方の人にとってそれは「何も起きなかった一日」で、もう一方の人にとっては「小さな幸せが五つあった一日」なのです。
一年後、この二人の人生観はまったく違うものになっています。
面白がる人のまわりには、人が集まります
もうひとつ、うれしいおまけがあります。
小さなことを面白がれる人は、一緒にいて楽しいのです。
「今日ね、こんなことがあってね」と、ささやかな出来事をうれしそうに話す人。そういう人のそばにいると、こちらまで気分が明るくなります。
反対に、何を話しても「まあ、そんなものでしょう」と流してしまう人といると、なんとなく話す気がなくなっていきますよね。
人が集まるところには、情報も、ご縁も、チャンスも集まってきます。だから面白がることは、気分の問題にとどまらず、実際に流れを変えていくんです。
「大げさだ」と言われても大丈夫
こういうことをしていると、ときどき笑われます。「そんなことで喜んで」と。
けれど、それでいいのです。
深刻ぶることと、賢いことは違います。むしろ、小さなことに大きく喜べる人のほうが、人生を上手に扱っていると私は思います。
一人さんの教えの魅力は、いつもこの軽やかさにあります。難しい理屈をこねるのではなく、今すぐできて、しかも楽しい。だから続くんですね。
不安を探すアンテナも、同じ仕組みで育ちます
この話には、裏側があります。幸せを見つけるアンテナが育つのと同じ仕組みで、不安を見つけるアンテナも育ってしまうということです。
誰かの一言を何日も思い返してしまう人。ニュースの悪い話ばかりが頭に残る人。人の表情から、ほんのわずかな不機嫌を読み取ってしまう人。
こういう方は、感受性が鋭くて優秀なアンテナをお持ちなのです。ただ、その優秀なアンテナが、たまたま不安のほうに向いてしまっている。それだけのことなんですね。
ですから、自分を責める必要はまったくありません。壊れているわけではなく、向きの問題です。そして向きは、日々の小さな練習で変えていけます。
今日から「よかったこと」を数える回数を、「よくなかったこと」を数える回数より一回だけ多くしてみる。
たったそれだけでも、何か月かすると、目に入ってくるものが変わってきます。
口に出すと、もっと効きます
心の中で喜ぶだけでも十分ですが、慣れてきたら口に出してみてください。「ついてる」「うれしいな」「ありがたいね」。声に出すと、自分の耳がその言葉を聞きます。
人は、自分の声をいちばん近くで聞いているものですから、これがなかなか効くのです。一人さんが言葉を大切にされるのも、こういう理由があるのだと思います。
言葉は、まわりに向けて発しているようでいて、実はいちばん自分自身に届いている。
だから、明るい言葉を使っている人は、自分で自分を明るいほうへ連れていっているんですね。恥ずかしければ、家の中だけで構いません。台所で、車の中で、お風呂で。
誰も聞いていないところで、小さくつぶやいてみてください。
続けるコツは、点数をつけないこと
こういう習慣がうまくいかない理由は、たいてい同じです。完璧にやろうとしてしまうことです。毎日欠かさずやらなければ意味がない、たくさん見つけないと効果がない。
そう考え始めると、できなかった日に自分を責めることになり、やがてやめてしまいます。けれど、これは修行ではありません。
楽しむためにやっているのですから、楽しくなくなったら本末転倒です。三日休んだら、四日目にまた始めればいいのです。
一日にひとつしか見つからなかったら、そのひとつを大事にすればいいのです。数えるのは、やらなかった日ではなく、やった日のほうにしてください。
ゆるくやっている人ほど長く続き、長く続いた人だけが、あるとき世界の見え方が変わっていることに気づきます。
こんな出来事も、数えていいのです
「そんなに都合よく偶然なんて起きません」とおっしゃる方のために、いくつか例を挙げてみますね。
出かけようとしたら、ちょうど雨がやんだ。
スーパーで、買おうと思っていたものが割引になっていた。
レジに並んだら、隣の列が空いてそちらに回れた。
ずっと思い出せなかった名前が、ふっと浮かんだ。
探し物が、思いがけない場所からすぐ出てきた。
どれも小さなことです。けれど、こういうことは毎日いくつも起きています。数えていないだけなんですね。

夜、三つだけ思い出してみてください
続けるコツは、時間を決めてしまうことです。
寝る前に、今日あった小さな「よかったこと」を三つ思い出してください。
思い出せなかった日は、無理をしなくて大丈夫。「今日は静かな一日だったな」でおしまいにしましょう。責める材料にしてしまっては、意味がありません。
三つ思い出せたら、心の中で「ついてる」と言ってみてください。それだけで、その日は上出来です。
今日、あなたが面白がれる偶然は何ですか
奇跡というのは、突然大きな形でやってくるものではないのかもしれません。
小さな偶然を面白がる人のところに、少しずつ集まってきて、あるとき振り返ると「ずいぶん遠くまで来たな」と思える。そんなものではないでしょうか。
あなたも今日、身近に起きた小さな偶然を一つ、面白がってみませんか。
その一つが、明日のあなたの見える世界を、少しだけ広げてくれますよ。



